居つたらしく、寒食と云ふので火を焚かず月の光りでやつたらしい。唐の元※[#「禾+眞」、第3水準1−89−46]の英籠微月竹籠烟、百尺絲繩拂地懸と云ひ、同じく韓※[#「にんべん+屋」、第4水準2−1−66]の夜深斜塔鞦韆索、樓閣朦朧煙雨中と云ひ元の泰不花が巧將新月添眉黛と云ふもの皆春の夜の鞦韆の遊を詠じたものである。
以上述べ來ると、簡單な遊戯である鞦韆につき、寧ろ語を費し過ごして居るやうであつて、更に蛇足を加へるに當らぬやうではあるが、然し如何にして此技をやつたか、即ち其遊戯の方法に至りても、中々興味あること、があるから、いま少し之を記して見やう。先づ服裝からして云ふならば、身輕るになる爲めにうす物を着ることは云ふ迄もないが、其外に腰に巾を卷いて兩側に垂れる。王建の詞に盤巾結帶分兩邊と云ひ周復俊の咏に翠帶雙飃翠葉搴と云ひ元の道士馬臻は繍帶斜飛亭際柳と云ひ明の蔡羽は葡萄結束相思帶と云ふのはこれだ。又動くに伴ひて音をなすやうにと鳴※[#「王+當」、第4水準2−81−5]をも佩びる者のあつた事も、王建の終睹鳴※[#「王+當」、第4水準2−81−5]鬪自起と云ひ泰不花の間倚東風響珮※[#「王
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