下げ、折り返して3字下げ]
1 茶の中に浸したマドレエヌ。(「スワン家の方」☆)
2 ペルスピエ醫師の馬車から認めたマルタンヴィルの鐘塔。(同右☆)
3 シャンゼリゼエの亭の黴くさい臭ひ。(「花さける少女の影に」☆)
4 バルベックの近くで、ヴィユパリジス夫人の馬車から認めた三本の樹木。(同右☆☆)
5 バルベックに近い山査子《さんざし》の籬。(同右☆☆)
6 バルベックのグランド・ホテルへ二度目に行つた時、彼は彼の靴のボタンをはづさうとして屈む。(「ソドムとゴモル」☆☆)
7 ゲルマント邸の中庭のでこぼこな石疊(「再び見出された時」☆☆)
8 皿にぶつかるスプウンの音。(同右☆☆)
9 彼はナプキンで口を拭く。(同右☆☆)
10 水管を通る水の音(同右☆☆)
11 ジョルジュ・サンドの「フランソワ・ル・シャンピ」。(同右☆☆)
[#ここで字下げ終わり]
私は此處でベケットの本を離れて、それらの十一の無意的記憶に關して私のための覺書をつけて置きたい。
最初の有名なマドレエヌは前の「雜記」にも引用したから省略する。第二の經驗は、幼時、ペルスピエ醫師の馬車に乘せて貰つてコンブレエへ歸る
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