を得《え》たり。二十五六|歳《さい》の頃《ころ》より毎日《まいにち》朝夕《てうせき》實行《じつかう》して、七十七|歳《さい》の今日《こんにち》に及《およ》び、爾來《じらい》數十年間《すうじふねんかん》頭痛《づつう》を忘《わす》れ、胃《ゐ》は健全《けんぜん》となり、感冐《かんばう》に犯《をか》されたる事《こと》未《いま》だ一度《いちど》もあらず。往時《わうじ》を顧《かへり》みて感慨《かんがい》を催《もよふ》すの時《とき》、換骨脱體《くわんこつだつたい》なる語《ご》の意味《いみ》を始《はじ》めて解《かい》したるの思《おもひ》あり。

      第五

我《わが》國民《こくみん》今後《こんご》の責任《せきにん》は益《ます/\》重大《ぢうだい》ならんとするの時《とき》、活動《くわつどう》の根本機關《こんぽんきくわん》とも言《い》ふ可《べ》き身體《しんたい》の攝養《せつやう》には尤《もつと》も注意《ちゆうい》を要《えう》す。如何《いか》なる事業《じげふ》に從《したが》ふとも、體力《たいりよく》此《これ》に伴《ともな》ふて強健《きやうけん》ならずば、意《い》の如《ごと》く活動《くわつどう》する能
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