」、第4水準2−79−6]車にて着。(中略)。廿五日藤森彌吾吉夫婦が牛馬を飼育するの愛冠の小屋に着し、同居して雪の溶けるを待つ。五月二十四日早朝発にて斗満に向う。愛冠には我小屋のみにて、夫《そ》れより斗満迄十二里間は更に人家無く、………其困難たるや言語筆紙の及ぶべからざるなり。………片山夫婦、藤森彌吾吉夫婦、西村仁三郎《にしむらにさぶろう》、谷利三郎《たにりさぶろう》、土人一名合せて七名、同夜九時※[#「陸」の「こざとへん」に代えて「冫」、176−9]別第五十四号にある測量出張員の仮りに用いたるの小屋ありて此れに着す。………四五日にして小屋の木材を切り取り、樹皮を剥ぎて屋根とし、且つ四囲を構《かこ》い、或《あるい》は敷きて座敷とせり。………夫れより開墾して六月十八日迄に一反半を開き、燕麦《からすむぎ》牧草を蒔付《まきつけ》たり。
廿七日、仮馬舎《かりうまや》に着手して、七月一|日《じつ》出来あがりたり。
七月一日、又一|着塲《ちゃくじょう》せり。
八月十日、寛《かん》は餘作《よさく》を同伴して初めて来塲す。寛は餘作が暑中休業にて五郎同行|来札《らいさつ》するを以て、五郎を母の許《もと》
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