いてのぶ》印
右《みぎ》は軸《ぢく》になつて居《を》りますが、三|遊亭《いうてい》一|派《ぱ》の共有物《きよういうぶつ》として、円朝《わたくし》は門弟共《もんていども》の方《はう》へ預《あづ》けて置《おき》ましたけれども、是《これ》は河竹黙阿弥翁《かはたけもくあみをう》が所有《しよいう》されて居《ゐ》たのを、円朝《わたくし》が貰《もら》ひ受《う》けました。夫故《それゆゑ》箱書《はこがき》も黙阿弥翁《もくあみをう》に認《したゝ》めて貰《もら》ひましたが、此文中《このぶんちう》にもある通《とほ》り十|有余年《いうよねん》昔話《むかしばなし》が流行《はやつ》たことと見えまする。夫《それ》ゆゑ誰《だれ》も彼《かれ》も聴《きき》に参《まゐ》る中《なか》に、可楽《からく》と云《い》ふ者があつて、是《これ》は櫛職人《くししよくにん》でござりましたが、至《いたつ》て口軽《くちがる》な面白《おもしろ》い人ゆゑ、私《わたくし》も一つ飛入《とびいり》に落語《はなし》をして見たいと申込《まうしこ》んだ。
すると此《こ》の狂歌師《きやうかし》の中《なか》へ職人《しよくにん》を入《い》れたら品格《ひん》が悪く
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