《てんめい》四ツの年《とし》甲辰《きのえたつ》四|月《ぐわつ》廿一|日《にち》なり。夫《それ》より両国尾上町《りやうごくをのへちやう》、京屋《きやうや》が楼上《ろうじやう》に集会《しふくわい》する事十|歳《とせ》あまり、之《これ》を聞くものおれ我《わ》れに語り、今は世渡《よわた》るたつきともなれり、峨江《がこう》初《はじめ》は觴《さかづき》を泛《うか》め、末《すゑ》は大河《たいが》となる噺《はなし》も末《すゑ》は金銭《きんせん》になるとは、借家《しやくや》を貸《か》して母屋《おもや》を取らるゝ譬《たとへ》なるべし、とは云《い》へ是《これ》も大江戸《おほえど》の有《あり》がたき恵《めぐ》みならずや。
[#ここから3字下げ]
よいおとし噺《ばなし》も年《とし》も七十の
         市《いち》が栄《さか》へて千代《ちよ》やよろづよ
文化十癸酉春
                談語楼銀馬《だんごろうぎんば》の需《もとめ》に応《おう》じて
[#ここで字下げ終わり]
[#地から1字上げ]七十一|翁《をう》、烏亭焉馬《うていえんば》
[#地から2字上げ]於談洲楼机下述《だんしゆうろうきかにお
前へ 次へ
全12ページ中8ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング