けがねを外《はづ》させ、高き華魁《おいらん》の顔をやはらぐるも是《これ》なり。此噺《このはなし》日外《いつぞや》下《しも》の日待《ひまち》の時《とき》開始《ひらきはじ》めしより、いざや一|会《くわい》催《もよほ》さんと、四方赤良大人《よものあからうし》、朱楽管江大人《あけらくわんかううし》、鹿都辺真顔《しかつべまがほ》、大屋《おほや》の裏住《うらずみ》、竹杖《たけづゑ》の為軽《すがる》、つむりの光、宿屋《やどや》の飯盛《めしもり》を始めとして、向島《むかうじま》の武蔵屋《むさしや》に落語《らくご》の会《くわい》が権三《ごんざ》り升《ます》と、四方《よも》の大人《うし》の筆《ふで》にみしらせ、おのれ焉馬《えんば》を判者《はんじや》になれよと、狂歌《きやうか》の友どち一|百《ぴやく》余人《よにん》、戯作《げさく》の口を開けば、遠からん者は長崎《ながさき》から強飯《こはめし》の咄《はなし》、近くば、寄《よつ》て三升《みます》の目印《めじるし》、門前《もんぜん》に市《いち》を為《な》すにぞ、のど筒《づゝ》の往来《わうらい》かまびすしく、笑ふ声《こゑ》富士《ふじ》筑波《つくば》にひゞく。時に天明
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