であらう、「昔《むかし》」と云《い》ふ字《じ》ハ、廿一|日《にち》と書くから、まア廿一|日《にち》に行《い》つて見なさい。成程《なるほど》と思つて当日《たうじつ》行《い》つて見ると、幟等《のぼりなど》を建《た》て盛《さか》んに落語《はなし》の会《くわい》があつたといふ。して見ると無理に衆人《ひと》に聴《き》かせよう、と云《い》ふ訳《わけ》でも何《なん》でもなかつたのでござります。
恁《かゝ》る事は円朝《わたくし》も薩張《さつぱり》存《ぞん》ぜずに居《を》りましたが、彼《か》の談洲楼焉馬《だんしゆうろうえんば》が認《したゝ》めた文に依《よつ》て承知《しようち》いたしました。其文《そのぶん》に、
「夫《それ》羅山《らざん》の口号《こうがう》に曰《いはく》、萬葉集《まんえふしふ》は古詩《こし》に似《に》たり、古今集《こきんしふ》は唐詩《たうし》に似《に》たり、伊勢物語《いせものがたり》は変風《へんぷう》の情《じやう》を発《はつ》するに贋《にせ》たり、源氏物語《げんじものがたり》は荘子《さうし》と天台《てんだい》の書《しよ》に似《に》たりとあり。爰《こゝ》に宇治拾遺物語《うぢしふゐものがたり
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