》ふものはなかつたのでございます。夫《それ》より降《くだ》つて天明《てんめい》四|年《ねん》に至《いた》り、落語《らくご》と云《い》ふものが再興《さいこう》いたしました。是《これ》は前《まへ》にも申《まう》しました通《とほ》り、狂歌師《きやうかし》が寄《よ》つて狂歌《きやうか》の開《ひらき》をいたす時、何《なに》かお互《たがひ》に可笑《をか》しい話でもして、ワツと笑ふ方《はう》が宜《よ》からうと云《い》ふので、二三|囘《くわい》やつて見ると頓《とん》だ面白《おもしろ》いから、毎月《まいげつ》やらうと云《い》ふ事に相成《あひなり》、蜀山人《しよくさんじん》、或《あるひ》は数寄屋河岸《すきやがし》の真顔《まがほ》でございますの、談洲楼焉馬《だんしゆうろうえんば》などゝ云《い》ふ勝《すぐ》れた狂歌師《きやうかし》が寄《よ》つて、唯《たゞ》落語《らくご》を拵《こしら》へたまゝ開《ひら》いても面白《おもしろ》くないから、矢張《やはり》判者《はんじや》を置《お》く方《はう》が宜《よ》からうと云《い》ふので、烏亭焉馬《うていえんば》を判者《はんじや》に致《いた》し、乃《そこ》で狂歌師《きやうかし》の
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