獄《ぢごく》の衰微《すゐび》だといふので、此《こ》の通《とほ》り鉄橋《てつけう》になつちまいました、それ御覧《ごらう》じろ、三|途《づ》橋《ばし》と書いて有《あ》りませう。岩「成程《なるほど》、三途川《さんづのかは》は鉄橋《てつけう》が架《かゝ》るなどゝ云《い》ふのはえらいもので。民「えらいなんて、地獄《ぢごく》の開《ひら》けた事を貴方《あなた》にお目にかけたい位《くらゐ》のものです、兎《と》も角《かく》彼処《あすこ》に茶屋《ちやゝ》が有《あ》りますから入《い》らツしやい。と是《これ》から案内《あんない》に連《つ》れて行《ゆ》き、橋《はし》を渡《わた》ると葭簀張《よしずばり》の腰掛《こしか》け茶屋《ぢやゝ》で、奥《おく》が住居《すまゐ》になつて居《を》り、戸棚《とだな》が三《みつ》つばかり有《あ》り、棚《たな》が幾《いく》つも有《あ》りまして、葡萄酒《ぶだうしゆ》、ラムネ、麦酒《ビール》などの壜《びん》が幾本《いくほん》も並んで居《ゐ》て、中々《なか/\》届《とゞ》いたもので、土間《どま》を広《ひろ》く取つて、卓子《テーブル》に白いテーブル掛《かけ》が懸《かゝ》つて、椅子《いす》が有《
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