んふき》の二分金の二十五両包を二つ取出し、菓子盆に載せ、折熨斗《おりのし》を添えて、
柳「これは少いが、内儀さんを貰うにはもう些《ちっ》と広い好《い》い家《うち》へ引越さなけりゃアいけないから、納《と》ってお置きなさい、内儀さんが決ったなら、又要るだけ上げますから」
と長二の前へ差出しました。長二は疾《と》くに幸兵衞夫婦を実の親と見抜いて居りますところへ、最前からの様子といい、段々の口上は尋常《ひとゝおり》の贔屓でいうのではなく、殊に格外の大金に熨斗を付けてくれるというは、己を確かに実子と認めたからの事に相違ないに、飽までも打明けて名告らぬ了簡が恨めしいと、むか/\と腹が立ちましたから、金の包を向うへ反飛《はねと》ばして容《かたち》を改め、両手を膝へ突きお柳の顔をじっと見詰めました。
十七
長「何です此様《こん》な物を……あなたはお母《っか》さんでしょう」
と云われてお柳はあっと驚き、忽ちに色蒼ざめてぶる/\顫《ふる》えながら、逡巡《あとじさり》して幸兵衛の背後《うしろ》へ身を潜めようとする。幸兵衛も血相を変え、少し声を角立てまして、
幸「何だと長二……手
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