に損があるから、好《い》いのを見付けて持ちなさい」
長「だって私《わっち》のような貧乏人の処《とけ》えは来人《きて》がございません、来てくれるような奴は碌なのではございませんから」
柳「なアに左様したもんじゃアない、縁というものは不思議なもんですよ、恥を云わないと分りませんが、私は若い時伯母に勧められて或所へ嫁に行って、さん/″\苦労をしたが、縁のないのが私の幸福《しあわせ》で、今は斯ういう安楽な身の上になって、何一つ不足はないが子供の無いのが玉に瑕《きず》とでも申しましょうか、順当なら長さん、お前さんぐらいの子があっても宜《い》いんですが、子の出来ないのは何かの罰《ばち》でしょうよ、いくらお金があっても子の無いほど心細いことはありませんから、長さん、お前さんも早く内儀さんを貰って早く子をお拵えなさい……お前さん貧乏だから嫁に来人がないとお云いだが、お金は何うにでもなりますから早くお貰いなさい、まだ宅《うち》の道具を種々|拵《こさ》えてもらわなければなりませんから、お金は私が御用達《ごようだ》てます」
と云いながら膝の側に置いてある袱紗包《ふくさづゝみ》の中から、其の頃|新吹《し
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