、其の方共は幸兵衞と柳が密通いたして居《お》るを知って居ったであろう」
茂「へい、それは」
由「何か怪しいと存じました」
奉「柳が不義を存じながら、主人半右衞門へ内々《ない/\》にいたし居ったは、其の方共も同家に奉公中密通いたし居ったのであろうがな」
と星を指されて両人は赤面をいたし、何とも申しませんから、奉行は推察の通りであると心に肯《うなず》き、
奉「左様《さよう》じゃによって幸兵衞を好《よ》きように主人へ執成《とりな》し、柳に※[#「「滔」の「さんずい」に代えて「言」」、第4水準2−88−72]諛《こびへつら》い、体よく暇《いとま》を取って、入谷へ世帯を持ち、幸兵衞を同居いたさせ置き、柳と密会を致させたのであろう、上《かみ》には調べが届いて居《お》るぞ、それに相違あるまい、何うじゃ恐れ入ったか」
夫婦「恐入りました」
奉「それのみならず、両人は半右衞門の病中柳の内意を受け、是れなる玄石に半右衞門を殺害《せつがい》する事を頼んだであろう、玄石が残らず白状に及んだぞ、それに相違あるまいな、何うじゃ、恐入ったか」
夫婦「恐入りました」
奉「長二郎、其の方は龜甲屋半右衞
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