りました」
やま「誠に遅うなりまして……御免下さい、貴方ねえ昼間のうちから上りたいと申してはそわ/\して居りまして、早く行ってお目に懸りたいと申して、直《すぐ》に木暮さんへ行こうと申して居りましたが、大屋さまへ行っても運動にでもお出《で》で留守だといけまいから、それより暮れてからのお約束だからと申してね貴方」
由「へえ大変に待って居たので……イヤこれはどうも誠に」
小峯「昨日《きのう》は母が誠に失礼を致しまして」
幸「どうも暫く、実にお見違い申して、往来で逢っては知れませんよ」
由「実にお見外《みそ》れ申します……えゝ貴方のお少《ちい》さい時分に私はお屋敷へ上ったことがございます、あの時はそれ両方のお手に大きな金平糖と小さい金平糖、赤いのが這入った袋を二つ持って入らしって、私が頂戴と云うと貴方一つ下すった、お気象がよくって入らしって、もう一つと云うと、また袋の中から、もう一つ/\と皆《みん》な貰って仕舞って、終《しま》いにはもう一つもないから、袋を覗いてお泣きなすったことがありましたが、彼《あ》の時分からお馴染でげすから」
小峯「有難うございます、お母《っか》さんが帰って来てまア、由兵
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