を度々《たび/\》なさったお方が、段々|商人《あきんど》におなり遊ばして、世の中の人と同等の御交際をされますが、昔を知って居りますから貴《とうと》く思いまして」
などゝ話のうちに追々肴が真中《まんなか》へおし並びますので、
幸「由兵衞|一猪口《いっちょこ》…」
由「有難う……、胡麻豆腐は冷えませんうち召上ると云うことは出来ません、先から冷たいからこれも温《あった》かゝったら旨かろうと思います……瓜揉は感心で、少し甘ったるいのは酢が少し足らない……今日《きょう》は小峰《こみね》さんと云う芸妓《げいしゃ》が参りますが、是も昔は長刀《なぎなた》の、ぞうりをはいてと伊左衞門《いざえもん》ではありませんが大層なお身の上の人で」
と話のうち小峰が参りましたから、
由「ヤア来た/\……あゝ来た、どうも綺麗だ」
二十七
幸「さア/\此方《こっち》へ、貴方大きくおなんなすって」
由「御覧なさい、お小さいうちに逢った限《ぎり》で、昔馴染と云うものはねえ旦那」
幸「お上りなすって、さア……どうもお美くしくお成りなすった」
由「上等/\……さア/\大変|先刻《さっき》からお待ち申して居
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