図らずも此の奥様の身の上が分ると云うお話でございます。
二十六
橋本幸三郎と岡村由兵衞は、向山の玉兎庵と申します料理屋へ参りましたが、只今では岩崎《いわさき》さんがお買入れになりまして彼処《あすこ》が御別荘になりましたが、以前《まえ》には伊香保から榛名山《はるなさん》へ参詣いたしまするに、二《ふた》ツ嶽《だけ》へ出ます新道《しんみち》が開けません時でございますから、一方道で是非彼処を参らなければなりませんが、彼処に福田屋龍藏親分が住居致して居りまして通ります人の休み処《どこ》で飴菓子を売って居ましたのが初《はじめ》で、伊香保が盛ったに付いて料理屋を始めましたが、連藏《れんぞう》と云う息子が居て、その息子が一寸《ちょっと》料理心があって胡麻豆腐と胡瓜揉《きゅうりもみ》という物が当所の名物でございます。一寸鮒か或《あるい》は鯉なぞを活洲《いけす》にいたしましたから、活きたのが食べられます。現今《たゞいま》では伊香保に西洋料理も出来ました。その玉兎庵へ参って、広間の方で橋本幸三郎が一杯やって居りますと、後《あと》から連れて来たのは隣り座敷に居ります処の御新造でございます
前へ
次へ
全281ページ中86ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング