たが、飛んだ好《い》いお方が入らしったと喜んで居たのに、四万へ入らっしゃるって、淋しいねえ」
峰「じゃアあなた方も入らっしゃいな、また四万へ往って隣合って居ますから入らっしゃいましな」
女「でも貴方、男|衆《しゅ》ばかりの処《とこ》へ女二人一緒に参るのは、また知れでもしますと」
峰「知れたって宜うがす、別れ/\に往っても一方道で、四万へ往ったら又お隣り座敷に居《お》れば知れやアしません、そうして襖《ふすま》を明ければ一緒になります、へえ一緒にお出でなさい、旦那も是非お連れ申したいといって居ましたからお出でなさい」
女「本当に御一緒に参りたいがねえ、宅《うち》から郵便でも来て此家《こゝ》に居ないとまた……」
峰「それは此方《こっち》へ頼めば宜うございます、四万の關善《せきぜん》と云うこれは善《よ》い宿屋で、郵便も直《じき》に来ます、一日遅れぐらいで届きます」
女「参りたい事は参りたいのでございますが」
峰「入らっしゃいまし、入らっしゃいよ、それに貴方|明日《あした》ね向山へ往《い》くので、私は留守居でげすが、向山へ往って芸妓《げいしゃ》を聘《よ》ぶので、あなた方なんなら御一緒に入らしって
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