女「恐れ入った事で、まだ癪を押して下すった御親切のお礼にも上りませんで、本当に貴方方の御親切で助かったと思って居ります」
峰「あの由兵衞という男は助平だからお前さんのことも種《いろ》んなことを云って居ましたよ」
岩「御冗談ばっかり」
峰「貴方お癪にはなんでげすねえ四万《しま》てえ処がありますが、是から九里ばかりありますが、これは子供の虫と癪には覿面《てきめん》効《き》くってえので皆《みん》な行きます、これは三日居ればどんな癪でも癒るてえますから入らっしゃいましな」
女「そう云うお話を聞きました、勧めた方もございますが、初めてゞ知らない処でねえ」
峰「なに車が利くし、道は出来て直《じ》きに往《ゆ》かれます、天狗坂《てんぐざか》てえのが少し淋しいが、それから先は訳はねえ、私の処《とこ》の旦那も往《い》くがの」
女「貴方の処《とこ》の旦那さまが、そう何日《いつ》」
峰「明日《あす》か明後日《あさって》往《ゆ》くてえます、へえ」
岩「折角お馴染になったに、残らずで往《い》くのですか」
峰「へえ私も往《い》くので」
岩「心細うございますねえ、本当にねえ、お隣へ厭な者でも来るといけないと思って居
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