して居ります」
岩「誠に好《よ》い旦那さまで、結構なお薬を頂き有難う存じました、只今お返し申しに上ろうと思って居ました」
峰「なに返さなくっても宜しゅうございます、幾らも持っておいでになるので、カバンを開けると用意に腹痛《はらいた》の薬だの頭痛の薬だの、是れは何んだとかって幾つもあるのだから、何処が悪いっても大丈夫で、緩《ゆっ》くり御養生なさい」
岩「あなたの旦那さまは川口町とかで何御商売で」
峰「なに金貸《かねかし》で、下質《したじち》を取ってお屋敷へお出入りがあるので」
岩「彼《あ》の方様今度は御新造様はお連れ遊ばさずに」
峰「なに御新造さまはないので、段々聞くとお死亡《なくなり》になって仕舞ったので、是から探すので、伊香保へ探しに来たと云うわけではないので、これは湯治でげすが、へえ此方《こちら》の奥様見たいなあゝ云う御様子の好《い》い方を女房に持ちたいなどと仰しゃいました」
女「あれまア冥加至極な事を仰しゃる」
峰「茗荷《みょうが》がどうしました」
女「いゝえ貴方そんな御冗談ばっかり」

        二十五

峰「本当でげす、貴方のお癪を押したのは誠に有難いと云っていました」
前へ 次へ
全281ページ中82ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング