の女中が癪《しゃく》が起って、お附の女中が落着《おちつ》く様に押して居《お》るが、一人では間に合いません、次の間に居た車夫の峰松が手伝ってバタ/\して居《お》る処へ帰って来ました。
二十二
峰「由さん、今手こずったよ」
由「何うした」
峰「今お癪で困りますから、早々障子を開けて這入っておくんなせえ」
由「なにを」
峰「癪が起ったので」
由「男が癪を起すのは珍らしいじゃアねえか」
峰「私じゃアねえ、隣座敷の御新造様が起したので」
由「なに御新造がお癪」
とガラリ障子を明けて見ると、御新造は歯を噛〆《くいし》め反《そ》って居《お》るを女中が押して居《お》るが力の強いもので男の二三人ぐらい跳《はね》かえしますから、由兵衞が飛込んで押えます。
女「有難うございます、此方様《こなたさま》で助かります、女一人では仕様がございません」
由「宜しゅうございます、此方《こなた》へ首をおかけなさいまして、脊割《せわり》を脛《すね》で押せば宜しいので、何しろお薬を……旦那お薬を」
幸「ナニ薬……峰公、床の間に己のカバンがあるから、あれを持って来な」
峰「カバン」
幸「早く/\」
峰「カ
前へ
次へ
全281ページ中74ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング