バンはございません……貴方が其処《そこ》に持って居らっしゃる」
幸「おゝ、そうか……神薬《しんやく》がある、早く水を」
というので薬を飲ませると好《いゝ》塩梅に薬も通って下《さが》る様子
「反らしちゃアいけない……」
由「あ痛《いて》え石頭を打付《ぶッつ》けて……旦那ナニを……咒《まじな》いでげすから貴方の下帯を外して貸して下さい下帯で釣りを掛けると好《い》いので、私のは越中でいけませんが、貴君《あなた》のは絹でげしょう」
幸「失礼な、僕の下帯で奥様方を……」
由「だッて御病気の時は、そんなことを云ったって仕方がありません、咒いでげすから、失礼だって構いません」
幸「じゃアまだ締めないのがあるからあれを」
由「締めないのではいけません、締めたのが宜しいので」
幸「だって此処で脱《と》れるものか」
とやがて新しい絹の下帯を持って来て釣りをかけ漸くに治まりも着きました。
女「なに好《よ》いよ、もう宜しい、岩《いわ》や治まったから心配せんで宜しいよ」
岩「貴方どんなに心配したか知れません、お隣のお客様お三方がお出で下すって、結構なお薬を戴き治まりが着いたのでございます、確《しっ》かり遊ば
前へ
次へ
全281ページ中75ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング