だっ》て私《わたくし》は或るお方のお供をいたして、堀越《ほりこし》團《だん》十|郎《ろう》と二人で草津へ参って、彼《か》の温泉に居りましたが、彼処《あすこ》は山へ登《あが》るので車が利きません。矢張り昔のように開けません、近郷の人が入浴に参りますが、当今は外国人が大分参りまして入浴いたします。温泉場でもやり尽しまして、斯うしたらお客様の御意に入るか、斯う云う風に家を建てようかなどと心配いたして、追々開けて参る様子でございます、其の中《うち》にも丁度近くって伊香保と云う処は宜《よ》い処で、海面から二千五百尺高いと云う、空気は誠によく流通いたして、それから湯が諸病に利くと云う宜しい処で、脚気《かっけ》に宜しく、産前産後血の道に宜しく、子宮病に宜しく、肺病に宜しく、僂麻質斯《りょうまちす》は素《もと》よりの事、これは私《わたくし》が申す訳ではございません、独逸《どいつ》のお医者様が仰しゃったので、日本温泉論にありますそうで、随分大臣方がお出向になります。何う云うものか俚諺《ところことば》に、旅籠屋《はたごや》のことを大屋《おおや》/\と申します。此の大屋の勢いは大したもので、伊香保には結構な
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