ば寧《いっ》そ死んで仕舞う積りだよ」
と話して居るを聞き、茂之助は一層怒りを増し、
茂「畜生め/\芝居町にもと居た時分からくッついて居やアがったんだ、己と口をきくのも厭だてえやアがる、うーむ彼奴に逢いてえばッかりに己をお客にして騙《だま》しやアがッて、畜生めむうー」
と余《あんま》り腹が立つと鼻がフー/\鳴るから、自分で鼻を押え、猶《なお》も身を寄せて立聞くとも知らず、
たき「ちょいとこれを喰《た》べて御覧よ、□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□□□□、お前に逢うと、何んだか私は我儘になって変になっちまうんだよ、と云って此家《こゝ》を出る訳にも往《ゆ》かず、何うかして茂之助が死ねば宜《い》いと思って居るのに、中々|悪達者《わるだっしゃ》で死なゝいのだよ、此間《こないだ》もお腹《はら》が甚《ひど》く痛むと云うから、宜い塩梅だ、コレラに成るのかと思ったと云うは、悪いお刺身の少しベトつくのを喰べたから、便所《ちょうずば》へ二度も往《い》きゃア大丈夫だと思ってると一日経つとサバ/\熱が取れて薩張《さっぱ》り癒《なお》って仕舞ったから、私はがっかりして仕舞ったのさ」
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