れました。それから、男子村《おのこむら》へ出まして村上《むらかみ》へかゝりまして、市城《いちしろ》から青山伊勢町《あおやまいせまち》中の条へ掛ると日は暮れかゝりまして、木村屋《きむらや》で小休みに成りますから十分手当をして遣り、車夫も疲れた様子だから車を取換えようと云うが、是非四万まで往《ゆ》きますと云うも十分手当をして遣りましたからでございます。酒の機嫌で遅くはなったが十時までには屹度《きっと》引張《ひっぱ》るからと、峯松も疲れては居るが親切者、早く往って逢わせようとガラ/″\/″\/″\車を挽《ひ》いて折田村まで一里ばかりも参りますと、どっぷり日は暮れて、木《こ》の間《ま》隠れに田舎家の灯《ひ》がちら/\見えまして、幽《かす》かに右の方は五段田《ごたんだ》の山続き、左は吾妻山、向うは草津から四万の筆山、中を流るゝ山田川の水勢は急でございまして、皀莢瀑《さいかちだき》と字《あざな》いたします、本名は花園《はなぞの》の瀑《たき》と云う巾の七八間もある大瀑《おおだき》がドーッドッと岩に当って砕けちる水音。林の蔭に付いて下《さが》る道があります。気味の悪い処にさいかち橋が架けてあります。こ
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