知れると悪うございます、橋の際《きわ》の瓦斯《がす》が消えますと宿屋の女が座敷《つぼ》へ参るは厳《やかま》しゅうございます」
由「壺ッてえのは此処ですか、厳《やかま》しいなんて生意気な事を云いますね、いゝじゃア御座いませんか、貴方を身請して往《い》くのですから、大屋が何んたって構やアしません、大屋が云っても差配人が苦情を鳴らしても何うでもしますから宜しいではありませんか、貴方心配はございませんお出でなさい、ちょいと、まんざら醜《わる》い男でもございますまい、ようがしょう様子が、お厭かえ……ハア/\これは恐れ入りました」
 といってる処へ幸三郎が便所から帰って参り、
幸「何を掛合って居るんだ」
由「フハア……掛合筋があって誠にハヤ貴方、手水を長くして居らっしゃると好《い》いのに」
女「あの私は又参ります」
幸「貴方又入らっしゃい、証拠でも何でも上げる、決して虚言《うそ》は吐《つ》きませんよ」
女「有難う存じます、御機嫌宜しゅう」
 と嬉しそうな様子で帰りました。
由「どうも御機嫌宜しゅうと云って、手をついて小笠原流で、出這入に御機嫌宜しゅうなんてえ様子は無いねえ、此処の女中などは、ガラリ
前へ 次へ
全281ページ中152ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング