、どうぞ御免なすって」
 と娘は胸一杯になりまして口も利かれません、おろ/\して居ります。
幸「お前さんは幾歳《いくつ》で」
女「はい、廿一でございます」
幸「お気の毒だねえ、どうか貴方を五十円で失敬ながら身請をして上げたいと存じます、お母さんが御病気でお在《いで》なさる事ならば、私が關善へ話をして五十円の金《きん》を出したら、東京へ連れて帰ってお母様に会わせる事も出来ましょう」
女「はい、それが出来ます事なら……」
由「旦那、私も少し助けますよ十分の一……一度にはどうも出来ませんから、日掛《ひがけ》に追々入金をいたしますが、どうか身請をして上げて下さい」
幸「關善さんへは帰る時話をして、今パッと話すと面倒だから……それから貴方の身の上だけはお母様《っかさん》にお逢わせ申しますが、お母様《っかさま》は矢張《やっぱり》東京にお在《いで》でございますか」
女「はい唯今では小石川《こいしかわ》餌差町《えさしまち》に居ります」
幸「宜しい、屹度《きっと》連れて往《ゆ》きます、身請を致します」
女「あの、本当で」
由「本当だって心配なし、どんな事をしても虚言《うそ》は大嫌いの旦那さまで、十二時に
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