山になって草臥《くたび》れたから酔ったよ」
由「貴方を酔わしたい、貴方は酔わないと真面目でいけません、ズーと酔ったって正気になって、助平根性を出してお仕舞いなさい、旅では構やアしません」
幸「止しねえ……まア/\そんなについではいけねえよ」
由「だがねえ、唯後からくっついて来るなア可笑しいねえ」
幸「可笑しいたって悪いよ」
由「だがね真面目で一生懸命に来るので、変な事があるもので」
幸「旧《もと》お出入りをしたお屋敷の御妾腹《ごしょうふく》と云うが、けれどもお眼に懸った事もねえが、何んだかお可愛そうな様な筋合《すじあい》があるのだよ」
由「お可愛そうだって何んだか知れませんが、姑《しゅうとめ》の意地の悪い奴、叔母さんか御隠居さんかが在《あ》って、拗《ひね》った事を云って、そうお茶をつぐからいけねえの、そうお菓子を盛てはいけねえ、赤いのは上へ乗っけて又其の上へ乗っけては赤いのが染《つ》くからいかねえとか、種々《いろ/\》な事を云う奴があるので、それが種になって段々お癪になったのだから、お癪を癒そうてえので……お癪てえば今来た娘《こ》も癪持に違《ちげ》えねえ」
幸「何故」
由「なぜったって
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