とか云ったのか」
由「えゝ云ったのでげす、峰公にちゃんと話したので」
幸「お前悪いよ、此方《こっち》がお母様《っかさま》と一緒なら宜しいが、男ばかりの処へ女を呼ぶのは悪いから止しねえ、奥様然として居るが、殿様でもある者で知れでもすると悪いよ」
由「あれはもう何もございませんよ、主は無い、主なしの栄太楼《えいたろう》、彼《あ》の女は無いので」
幸「無い、だって分りゃアしめえ」
由「何んだッてお付の女中と伊香保の茶見世でお茶を売って居た村上の御新造が、お嬢様/\と申すのでしょう」
幸「あれは、お少《ちいさ》い時分に一つお屋敷に居てお乳を上げたので」
由「お乳は松でも笹巻でも此方《こっち》は構わねえ、彼《か》りゃアもう確かに亭主はありませんよ、御婚礼は済みませんが、是から追々御婚礼にもなりかゝると、其処に苦情があって、何うとか斯うとか話したと聞きました、向山の玉兎庵で申しました」
幸「だけれどもお前無理に呼んでは悪いよ」
由「悪いたって後《あと》から峰公が引張って来るので、お付の女中は忠義者でしょう、一緒に往《ゆ》きたいが、女二人であなた方と一緒に参っては、ひょっと人が訝《おか》しく思うとい
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