、關善の親類でもありはしないか、鈴木屋の身寄か、士族《さむらい》さんのお嬢さんの果《はて》だろう」
 と云って居る。二度目に鰥と鯉こくが出来たというので岡持へ入れて持って来る、是から酒をつけて橋本幸三郎が此の婦人の身の上を問います、これは後《のち》に申上げます。

        三十九

 さて岡村由兵衞は頻《しき》りに幇間口《ほうかんぐち》でお酒が流行《はや》って居ります。
由「えゝ旦那唯今見た女は何うしても東京の言葉で、女は滅法好くって、旅出稼と云って湯治をしながら稼ぎに来る女は夥《いか》い事ありますが、彼《あ》の位《くれ》えなのは珍らしい女で、丁寧で口が利けねえのは余程《よっぽど》出が宜《い》いんですねえ」
幸「余程《よっぽど》品が好《い》いが、どういう身上《みじょう》か彼《あ》の位の女は沢山無い」
由「有りません、東京を立って伊香保へ来て、伊香保から此方《こちら》へ来るまでにありません、伊香保のお隣室《となり》の奥様ねえ、彼《あ》れは又品が違いますが、此方はあれよりもまだ年が往《い》かないようで、伊香保の奥様も明日《あした》来るか、又今夜来るかも知れませんよ」
幸「お前又なん
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