幸「はア番頭さんか、当家は何というえ」
番「關善平と申しやす」
由「番頭さんの名は」
番頭「ヒエー與兵衞《よへえ》と申しやす」
由「成程關善の家に與兵衞ありというのは面白い」
番「左様でございます、皆様がそう仰しゃるので、旧来居りやすから」
由「ハヽヽ……これはいけません、洒落を云っても通じませぬ、皆様がそう仰しゃるなぞはこれは妙だ……これはお茶代で、これは雇人中《やといにんじゅう》へ」
番「えゝ有難うございます、主人《あるじ》が直ぐお礼に出まするで、有難いことで、ヒエ」
幸「何しろお前さん初めて来たので馴れませぬから、また後《あと》から連《つれ》も来るから宜しく頼みます」
番「ヒエ、明日《あす》から世帯《しょたい》をお持ちなさるのでございますか」
由「何処へ世帯を」
番「えゝ一週間《ひとまわり》なり二週間《ふたまわり》なりお席をおきまして、お座敷《つぼ》の内へ竈《へッつい》でも炭斗《すみとり》火鉢すべて取寄せまして、三週間《みまわり》もお在《いで》になれば、また賄《まかな》いの婆《ばゝあ》も置きまして、世帯をお持ちなさいますなら、炭|薪《たきゞ》米なぞも運びますから」
由「ハヽア
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