どうかお取付けになります様、誠に有難いことで、えゝ鈴木屋でございます」
由「今這入ったばかりで、まア仕様がない」
甲女「叶屋でございます」
幸「そう大勢|幾人《いくたり》も来たって仕様がない、困りますねえ」
甲女「叶屋で」
由「叶屋でも稻本《いなもと》でも角海老《かどえび》でも今日《こんにち》が初会《しょかい》だ、これから馴染が付いてから本価《ほんね》を吐《は》くから、まだ飯も食わねえ、湯へも這入らねえうち種々《いろ/\》の物を売りに来るのは困るねえ」
幸「私《わし》は話に聞いて居るが、料理屋のようなものがあるので、取付けにして貰おうというのだろうよ」
由「もし、また豆腐入の玉子焼なぞが出来るので……どうも旦那お茶代を其様《そんな》に遣らねえでもようございます、此処ですから」
幸「それでも出したものだから……おい姉《ねえ》さん」
女「ヒエー」
由「可笑しな返辞だねえ、面白い…もし旦那でも番頭さんでも呼んでおくれ、用があるから一寸《ちょっと》」
女「ヒエー」
由「早くして」
という、やがて番頭がそれへ参りまして、
番「ヒエー」
幸「お前さん御亭主かえ」
番「手前は当家の番頭でござりやす
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