極って居《い》るでがす、六十五|銭《せね》でがんす」
由「六十五|銭《せん》は高いねえ」
女「高《たけ》えたって極って居るのでがんすから、その代り楽でねえ、坂へ廻ってはハア道がハアえらいでねえ、急の坂ががんすから、此処から折田《おりた》へ出る道が極って居て楽でがんす」
由「じゃア姉《ねえ》さん、馬は暴《あ》れねえのを頼んでおくれ、いゝかえ馬に附ける物があるから、間違《まちげ》えちゃアいけねえよ……何しろ虻が大変《てえへん》で……あゝ玉子焼が出来た、おゝ真白《まっしろ》だ」
幸「白身ばかりは感心だ」
由「じア喫《や》ってみましょう………これは恐入ったね、中々柔かで仕末にいけません、姉さん、此の玉子焼は真白だねえ」
女「ヒエ」
由「玉子は沢山入れねえで豆腐が九分で……これは恐れ入ったねえ、豆腐入の玉子焼は恐れ入った、道理で真白だと思った、豆腐焼、これはないねえ、面白い、これは乙でげす、何うも閑静過ぎますねえ」
三十四
由「いゝや鰌汁の中に人参が這入って[#「這入って」は底本では「這人って」]居る、これは感心でげす、牛蒡《ごぼう》で無い処が感心で、斯ういう処が閑静……旦那
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