おかざきしんでん》五|町田《ちょうだ》の峠を越し、五町田の宿《しゅく》を出まして右へ付いて這入って、是から川を渡りますが、吾妻川には大きな橋が架って居る、これは橋銭《はしぜに》を取ります、これを渡ると後《あと》はもう楽な道で、吾妻川|辺《べり》に付いて村上山《むらかみやま》を横に見て、市城村|青山村《あおやまむら》に出まして、伊勢町《いせまち》より中《なか》の条《じょう》という所《とこ》に掛った時はもう二時少々廻った頃、木村屋《きむらや》と申す中食《ちゅうじき》場所がございます。表には馬《むま》を五六匹|繋《つな》ぎ、人足が来てガア/\と云って居る処《とこ》へ駕籠をズッと着けました。
女中「入らっしゃいませ」
由「大きに若衆《わかいしゅ》御苦労、今|後《あと》で飯を食わせるが、何しろ休みねえ……おい/\女中さん、おい女中|彼処《あすこ》の畳の上に何だ……黒豆が干してあるようだが、彼処を片付けておくれよ」
女「豆じゃアござえません、あれは蠅が群《たか》って居りやすので」
由「蠅か……私《わし》は黒豆かと思った、大層《てえそう》居るねえ真黒《まっくろ》で……旦那御覧なさい、此の蠅はどうも酷
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