《あんた》の些《ちっ》たア手助かりをしたゞ」
警「なに手助かりと云うがあるか……先方で先に打ったとあれば……まアよいわ……不論罪《ふろんざい》じゃ、それでは宜しい、宜しいに依って向後は左様な粗暴な事をしてはならんぞ、もう其の方も三十を越えて血気な若い者とも違うから、以後は喧嘩口論をして人を打擲することは相成らぬ、能く弁《わきま》えろ」
市「それから」
警「それからということはない、宜《よ》いからもう参れ」
市「へえ、そうか、もう宜いのか、あんたも骨が折れるねえ、あんたも早く云えば仲人《ちゅうにん》だ、己《おら》アも仲人にべえ頼まれて、能く村で仲人に這入《へえ》って人の事を捌《さば》くだが、中々骨え折れる役だねえ、あんた方もなア」
警「早く往《い》け」
 と巡査様もお困りで、分らん者でございますけれども、別に悪い事をしないのに、近村で問いましても正当《しょうとう》潔白という事、是は巡査様も御存じだから先ず軽《かろ》く済みましたが、向山に居りました橋本幸三郎、岡村由兵衞は混雑《ごたすた》が出来て面白くもない、殊に女連というので一とまず木暮八郎方へ帰りまして、翌日になりますと、朝飯を食べると
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