しき》もなく仁王立に突立って居ります。
警「これ、手前か向山の玉兎庵で口論の末士族|体《てい》の者を谷川へ打込《ぶちこ》んじゃというが、それは何うも宜しくない、どういう訳でそういう乱暴な事を致すか」
市「先刻《さっき》も私《わし》が云います通り、乱暴でねえで、何方《どっち》が乱暴だかねえ、貴方《あんた》の方で能く調べねえで無闇に来《こ》う/\と云って此処まで連れて来て、私もコレ用のある人間で、一日|幾許《いくら》って手間を取って居る者が、暇ア消《つぶ》して此処まで引張られるは難儀だから、参《めえ》らねえというものを何んでもという、私ア暇を消して参《めえ》ったが、私が悪《わり》いか向うな士族とかいうが悪いか見定めて人を引張ったら宜かろう」
警「そうじゃが、其の方は谷川へその士族体の者を打込んだという、巡査が確《しか》と是を見届け、又福田連藏方からも届けがあった故に出張した処《とこ》が、全く其の方が投込んだという、其の方住所姓名は何と申すか、えゝ其の方の住所姓名を申せ」
市「何も私《わし》ア……住持に悪体《あくてえ》を清兵衞《せいべえ》が吐《つ》いたという訳でねえが、ありゃア三の倉の間違え
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