つたつけ、うむ、お赤飯《せきはん》か。真「えゝ成程《なるほど》、夫《それ》ぢやア先刻《さつき》お前《まへ》さん所《ところ》へお赤飯《せきはん》を上《あ》げた其《そ》の礼《れい》に来《き》なすつたのかね。甚「ヘイ能《よ》く知つて居《ゐ》ますね、横着者《わうちやくもの》。真「ナニ横着《わうちやく》な事があるものか、イエ彼《あれ》はほんの心ばかりの祝《いはひ》なんで、如何《いか》にも珍《めづらし》い物を旧主人《きゆうしゆじん》から貰《もら》ひましたんでね、実《じつ》は御存知《ごぞんぢ》の通《とほ》り、僕《ぼく》は蘭科《らんくわ》の方《はう》は不得手《ふえて》ぢやけれど、時勢《じせい》に追はれて止《や》むを得《え》ず、些《ちつ》とばかり西洋医《せいやうい》の真似事《まねごと》もいたしますが、矢張《やはり》大殿《おほとの》や御隠居様杯《ごいんきよさまなど》は、水薬《みづぐすり》が厭《いや》だと仰《おつ》しやるから、已前《まへ》の煎薬《せんやく》を上《あ》げるので、相変《あひかは》らずお出入《でいり》を致《いた》して居《ゐ》る、処《ところ》が這囘《このたび》多分《たぶん》のお手当《てあて》に預《あ
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