や》の許《もと》へやつて参《まゐ》り、玄関《げんくわん》へ掛《かゝ》つて、甚「お頼《たの》ウ申《まうし》ます。書生「どーれ、ヤ、是《これ》はお入来《いで》なさい。甚「エヽ先生は御退屈《ごたいくつ》ですか。書「別に退屈《たいくつ》も致《いた》しちやア居《ゐ》ませぬが、何《なん》ですい。甚「いえ、お宅《たく》にお出《いで》なせえますかツてんで…エヘ…御在宅《ございたく》かてえのと間違《まちがひ》たんで。書生「さうか、ま此方《こつち》へお上《あが》り。甚「アヽお目《め》に懸《かゝ》つて少々《せう/\》お談《だん》じ申《まうし》てえ事があつて出ましたんで。書生「お談《だん》じ申《まうし》たい……エヽ先生|八百屋《やほや》の甚兵衛《じんべゑ》さんがお入来《いで》で。真「おや/\夫《それ》は能《よ》くお入来《いで》だ、さア/\此方《これ》へ、何《ど》うも御近所《ごきんじよ》に居《ゐ》ながら、御無沙汰《ごぶさた》をしました、貴方《あなた》は毎日《まいにち》能《よ》くお稼《かせ》ぎなさるね朝も早く起《おき》て、だから近所でもお評判《へうばん》が宜《よ》うごすよ。甚「えゝ、何《なに》かソノ承《うけたま》
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