妻「お前《まへ》何《なに》を云《い》ふんだ、おせきさんぢやないお赤飯《せきはん》てえのだ。亭「お赤飯《せきはん》てえのは何《なん》だ。妻「強飯《おこは》のことだよ。亭「ムー、お赤飯《せきはん》てえのか、さうか。妻「でね、一|番《ばん》終《しまひ》に私《わたし》も宜《よろ》しくとさう云《い》つてお呉《く》れよ。亭「己《おれ》が行《い》くのに私《わたし》も宜《よろ》しくてえのは可笑《をか》しいぢやないか。妻「ナニお前《まへ》が自分の事を云《い》ふのぢやない、女房《にようばう》も宜《よろ》しくといふのだよ。亭「うむ、お前《まへ》がてえのか、で何《なん》てんだ。妻「承《うけたま》はりますれば、何《なに》か御邸《おやしき》から御拝領物《ごはいりやうもの》の儀《ぎ》に就《つ》いて、私共《わたくしども》までお赤飯《せきはん》をお門《かど》多《おほ》いのに有難《ありがた》う存《ぞん》じますつて。亭「少し殖《ふ》えたなア。妻「殖《ふ》えたのぢやアありアしない、当然《あたりまへ》な話だよ。亭「其様《そんな》に色《いろ》んな事を云《い》つちやア側《そば》から忘れちまあア。妻「お赤飯《せきはん》を有難《ありが
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