うーん」
眞「ふうーんじゃない、斯うしてお呉んなさい、私《わし》は遠い処へ身を隠しますから旅銀《ろぎん》をお呉んなさい、三十両お呉んなさい」
永「そりゃまア宜く知らしてくれた、眞達悪い事は出来《でけ》ぬものじゃな」
眞「出来《でけ》ぬたって殺さいでも宜《え》いじゃないか、仮令《たとい》殺しても墓場へでも埋《うめ》れば知れやアせんのじゃ」
永「庄吉にも汝《てまえ》にも隠し、汝《てまい》たちの居ぬ折に埋めようと思って少しの間|凌《しの》ぎに縁の下へ入れると、絶えず人が来るし、汝《てまい》や庄吉が絶えず側に居《い》るから、見られては成らぬと思って、拠《よんどこ》ろなく床下へ入れた儘《まゝ》にして置いたが私《わし》の過《あやま》りじゃな」
眞「過りでも宜《え》いが、路銀をお呉んなさいよ」
永「路銀だって今此処に無いからな、その路銀を隠して有る所から持って来るが、死人が出たので其処へ張番でも付きやアしないか」
眞「張番|所《どころ》でない、手先の者も怖い怖いと思って、庄吉を縛って皆附いて行ってしもうて、誰《たれ》も居ませんわ」
永「お梅、何をぶる/\慄《ふる》える事はない、其様《そんな》にめそ/
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