んな事を云うても来てえるのは知っているからえけません、宵にお目に懸って此方《こっちゃ》に泊っても宜《え》いと云うたのだから」
永「じゃア仕方がない、明けて遣《や》れ」
と云うので、仕様がないからお梅が立って裏口の雨戸を明けますると、眞達はすっとこ冠《かぶ》りにじんじん端折《ばしょり》をして、跣足《はだし》で飛込んで来ました。
永「何《なん》じゃ、どうした」
眞「お梅はん、後《あと》をぴったり締めてお呉んなさい、足が泥になってるから此の雑巾で拭きますからな」
永「何う為《し》よったじゃア、深更《しんこう》になってまア其の跣足で、そないな姿《なり》で此処《こゝ》へ来ると云う事が有るかな、困った者《もん》じゃア、此処へ来い、何うした」
眞「和尚さん最前なア、私《わし》ア瞽女町で芸者買って金が足りないから貴方《あなた》に十両貸してお呉んなさいましと、まアお願い申しましたが、あの金と云うものは実はその芸者や女郎《じょうろ》を買ったのではないので、実はその庄吉の部屋でな賭博《ばくち》が始まって居ります所へ浮《うっ》かり手を出して負けた穴塞《あなふさ》ぎの金でございます」
永「此奴《こいつ》悪い奴
前へ
次へ
全303ページ中94ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング