ったのだね」
繼「いゝえ、おからかいでないの、一生懸命の顔で怖いこと/\」
梅「一生懸命だって、お前《まい》を可愛がって御供物《おもりもの》や何か下さる旦那さまだもの、ほんのお酒の上だよ」
繼「然《そ》う、私《わたし》ゃねお父様《とっさん》を捜しに往ったの」
二十
梅「お父様《とっさん》はあのお商いも隙《ひま》だから、あの金沢から山中の温泉場の方へ商いに往って、事に依ったら大阪へ廻って買出しを致《し》たいからと云って、些《ちっ》とばかり宗慈寺様からね資本《もとで》を拝借したのだよ、そうして買出しかた/″\お商いに往ったから、半年や一年では帰らないかも知れないよ、その代り確《しっ》かり仕入れて、以前《もと》の半分にも成れば、お繼にも着物を拵《こしら》えて遣《や》られると云って、お前が可愛いからだね」
繼「そう、お父様が半年も帰らないと私は一人で寝るの」
梅「宜《い》いじゃないか、私が抱いて寝るから」
繼「嬉しい事ね、あの他処《よそ》の子と異《ちが》って私は少《ちい》さい時からお父様とばかり一緒に寝ましたわ、お母《っか》さんと一緒に寝られるなら何時《いつ》までもお父様は
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