履《ぞうり》が有りますから庭へ下りまして、
繼「おや和尚様お母さんは居りませんか、お父様は」
と屈《こゞ》んで云いましたが、女の子は能《よ》く頭《かしら》を斯《こ》う横にして下を覗《のぞ》く様にして口を利くものでございますが、永禪は只《と》見ると飛んだ処へ来た、年は往《い》かぬが怜悧《りこう》な娘、こりゃ見たなと思ったから、物をも云わず永禪和尚柄の長い薪割を振上げて追掛《おっか》けたが、人を殺そうという剣幕、何《なん》ともどうも怖いから、
繼「あれえ」
ばた/\/\/\/\/\/\と庭を逃げる、跡を追掛けて行《ゆ》き、門の処まで追掛け、既に出ようとする時お梅が帰って来て、
梅「まア旦那何うなすったよ、みっともないよ」
永「おゝ宜《い》い処へ来た」
梅「もし何ですよ、お繼はキエ/\と云って駈けて往《ゆ》きましたが、貴方もみっともないよ跣足《はだし》でさ」
永「一寸《ちょっと》お前|此処《こゝ》へ来な……お梅はん、お繼が逃げたから最《も》う是までじゃア、詮事《しょこと》がない、さア私《わし》も最早命はない、お前も同罪じゃでなア、七兵衞さんはお前と私《わし》の間《なか》を知って五十両金の
前へ
次へ
全303ページ中80ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング