ひとうち》に致しましたが、これが悪い事を致すと己《おのれ》の罪を隠そうと思うので、また悪事を重ねるのでございますから、少しの悪事も致すもので有りません。少しの悪事でも隠そうと思って又重ねる、又其の罪を隠そうと思っては悪事を次第々々に重ねて猶《なお》また悪事に陥ります。毛筋ほどでも人は悪い事は出来ませんものでございます。永禪和尚は毒喰わば皿まで舐《ねぶ》れと、死骸をごろ/\転がして、本堂の床下へ薪割で突込《つきこ》みますのは、今に奉公人が帰って来てはならぬと急いで床下へ深く突入《つきい》れました。
十九
お繼という七兵衞の娘は今年十三になりますが、孝心な者でございます。母親《おふくろ》が居りませんに、また父親《おやじ》が見えませんから、屹度《きっと》宗慈寺様へ行って居《い》るので有ろうと、自分も何時《いつ》も此の寺へ参りますと、和尚に物を貰って可愛がられるから度々《たび/\》参りますので、勝手を存じて居りますから、
繼「お父様《とっさん》は居りませんか、お母《っか》さんは」
と納所部屋を捜しても居りません。すると本堂の次が開いて居りますから、其処《そこ》へ来ると草
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