無心、二つ三《み》つ云合《いいお》うたが、知られては一大事、薪割でお前の亭主を打殺したぜ」
梅「あれまアお前さん、何だってねえ」
永「さア/\殺す気もなかったが、是も仏説で云う因縁じゃア、お前《ま》はんに迷ったからじゃア、お前《まえ》は藤屋七兵衞さんを大事に思う余り私《わし》の云う事を聴いたろうが、お繼が駈けて来て床下を覗いてお父様はと云うたから、見たと思うて追掛《おいか》けたが、お繼を欺《だま》して共に打殺し、私と一緒に逃げ延びて遠い処へ身を隠すか、否《いや》じゃアと云えば弐心《ふたごゝろ》じゃア、お前も打殺さなければならん」
梅「何だってまア、そんな事を云ったって、お繼はお前さんが可愛がるから仮令《たとえ》見たとって、よもや貴方が親父を殺したとは気が付くまいと思いますから、其処《そこ》がまだ子供だから分る気遣《きづかい》は有りませんよ、私が篤《とっ》くり彼《あ》の子の胸を聞きますからさ」
永「じゃアお前が連れて来れば宜《よ》い」
梅「まアお待ちなさい、当人を連れて来て全く見たなら詮方《しかた》もないが、見なければ殺さなくっても宜《い》いじゃアないか」
永「知らぬければ宜《え》いが、
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