間ですから、旦那が私《わたし》を贔屓にして下されば、話合いで貴方《あなた》は隠居でもなすってねえ、隠居料を取って楽に出来るお身の上に成ったら、その時にゃア御不自由ならお梅は仕事に上げッ切《きり》にしても構わねえという心さ」
永「そりゃまさか他人《ひと》の女房を借りて置く訳には往《い》かんが、仕事も出来る大黒の一人も置きたいが、他見《たけん》が悪いから不自由は詮事《しょこと》がないよ」
七「もしそれはお前さんの事だから屹度《きっと》差上げますよ、それにお梅はお前さんに惚れて居りますぜ、ねえ宗慈寺の旦那様は何《ど》うも御苦労なすったお方だから違う、あれでお頭《つむり》に毛が有ったら何うだろうなんぞと云いますぜ」
永「こりゃ、その様な詰らぬ事を云うて」
七「それは女郎《じょうろ》の癖が有りますから……浮気も無理は無いのです、もう酒は有りませんか」
永「今来るが、私《わし》はねえ酒を飲むと酒こなしを為《し》なければいかぬから、腹こなしを為《す》る、お前見ておいで」
と藁草履《わらぞうり》を穿《は》いてじんじん端折《ばしょり》をして庭へ下りましたが、和尚様のじんじん端折は、丸帯《まるぐけ》の間
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