きく成ります。若い中《うち》は有りがちでございますから、まア/\淫奔《おいた》は出来ませんものでございます。お照は懐妊と気が付きましたから何うしたら宜《よ》かろう、何うかお目にかゝり相談を為《し》たいと、山平へ細々《こま/″\》と手紙を認《したゝ》め、今日あたりきんが来たらきんに持たせてやろうと帯の間へ挿《はさ》んで居りましたが、何処《どこ》へ振落しましたか見えませんから、又細々と文《ふみ》を認めおきんに渡し、それから直《すぐ》におきんより山平へ届けましたので、九月二十日に団子茶屋へ打寄ったが、此の時は山平は真青《まっさお》になりました。
きん「もし白島様実に驚きましたよ、お嬢|様《さん》は同衾《ひとつね》を遊ばさないので、それだからいけやアしません、同衾をなされば少し位月が間違って居ても瞞《ごま》かしますよ、何うしたって指の先ぐらいは似て居りますから、何うでも出来ますのを、振って/\振抜いて、同衾をしないので隠し様がありませんからさ、押して云えば仕方がないから、私は自害して死ぬばかり、私は二度と夫は持たない、親が悪い、無理に持たせたから当然《あたりまえ》と仰しゃるだけで仕方がありませ
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