うと云うなア不思議だ、こりゃア神様のお引合せに違《ちげ》え無《ね》え、何うも大きく成りやアがったなア此畜生《こんちきしょう》、幼《ちい》せえ時分別れて知れやアしねえ、本当に藤屋の娘か、おい立って見や……これをお前《めえ》さんのとこの子にしたのか……一廻り廻れ」
などと云う。
山「誠に是れは思掛けないことで、何うもその死んだ七兵衞殿のお引合せと仰しゃるは御尤もなこと、実は私《わし》の忰山之助と申す者と三年前から巡礼を致して、長い間旅寝の憂苦労《うきくろう》を重ね、漸《ようや》く今日|仇《あだ》を討ちましたが、山之助は先達《せんだっ》て仔細有って亡なりました、それ故に手前忰の嫁故引取り娘に致して、手前が剣術を仕込みまして、何うやら斯うやら小太刀の持ち様も覚える次第、まことに思掛けないことで、葛西の文吉様にもお世話に成りましたから、手前同道致してお詫言に参りましょうが、まア兎も角も敵の……えゝ人が立って成らぬなア」
正「私《わっち》が一太刀」
山「いや、お前はお兄様《あにいさん》でも初太刀《しょたち》は成りません、お繼は七年このかた親の仇を討ちたいと心に掛けましたから、お繼が初太刀で、お前
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