めえ》へ転んだから、真《ほん》の弥次馬に殴ったのが、丁度|親父《おやじ》を殺した奴を打殴《ぶんなぐ》ると云うなア是が本当に仏様の引合せで、敵討をするてえのは……何う云う訳なんです」
山「訳を申せば長いことでござる、予《かね》て噂に聞《きゝ》ましたがお前が正太郎|様《さん》で、葛西の文吉殿の方《かた》に御厄介に成っていらしった」
正「え……彼《あ》れは叔父で……お繼、何か小岩井のお婆さんの処《とけ》え行きてえから、お婆さんに己《おれ》の詫言《わびごと》して呉んねえ、父《ちゃん》の敵を討つ助太刀をしたと云う廉《かど》で詫言をして呉んねえ、己《おら》アもう腹一抔|借尽《かりつく》して、婆さんも愛想《あいそ》が尽きて寄せ附けねえと云うので、己《おれ》も行ける義理は無《ね》えからなア、土浦へ行って燻《くす》ぶって居たが、その中《うち》に瘡《かさ》は吹出す、帰《けえ》る事も出来ず、それからまア漸《やっ》との事《こっ》て因幡町《いなばちょう》の棟梁の処《とけ》え転がり込んだが、一人前《いちにんめえ》出来た仕事も身体が利かねえから宰取をして、今日始めて手伝《てつでえ》に出て、然《そ》うして妹に遇《あ》
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