棄てぬ、末は夫婦という観音様に誓いを立って…貴方も私も外《ほか》に身寄は有りませんが、改めて仲人《なこうど》を頼んで…斯うという事に成りますれば、私は江戸の葛西に伯父さんが有るから、その伯父さんが達者で居《い》れば、その人がちゃんと身を堅める時の力になろうと思います、勿論それを舅《しゅうと》にして始終一緒にいる訳でも有りませんが……左様《そう》なれば私も一大事を打明けて云いますから、お前さんも身の上を隠さずに互に話をいたしたいと思いますが」
山「左様《そう》観音様に誓いを立って、私の様な者を亭主に持って呉れるなら、私は本当にお前に打明けて云う事が有るけれども、若《も》し途中でひょっと別れる様な事に成って、喋られると大変だから、うっかりと打明けて云われないねえ」
繼「私も打明けて云いたいが一大事の事だから……若し男の変り易い心で気が変った後《あと》で、他へ此の話をされると望みを遂げる事が出来ぬと思って、隠して居りますが、本当に私は大事のある身の上」
山「私も一大事が有るのだよ」
繼「左様《そう》……よく似て居ますねえ」
山「本当によく似てるねえ」
繼「まアお前さん云って御覧」
山「まアお
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