西国巡礼に」
繼「おや私も西国へ。よく似て居りますねえ」
山「えゝよく似て居りますねえ」
繼「お前さん何方《どちら》へお泊り」
山「山道へ掛って様子は知らぬが、落合まで日の暮々《くれ/″\》はと思って急いで参りました、お前さんは何方へ」
繼「私も落合と思って、何うもよく似て居ますねえ」
山「えゝ何うもよく似て居ますなア」
繼「あなた私を連れて行って下さいませんか」
山「えゝ、一緒に参りましょう」
繼「それじゃア何卒《どうぞ》」
山「一生懸命に攫《つかま》ってお出でなさい」
繼「何卒お連れなすって下さい」
 と互に信心参《しんじんまいり》の事でございますから、お互いに力に思い思われまして、
山「何か落すといけませんよ」
繼「はい柄杓も此処に有ります」
 と笠を片手に提《さ》げて、山之助の案内で、漸く往来まで這登《はいのぼ》りまして、これから落合の宿《しゅく》に泊ったのが山之助とお繼の始めての合宿で、互いに同行二人力に思い合って、これから二人で西国三十三番の札を打ちますと云う、巡礼敵討の始りでございます。

        五十

 山之助お繼は其の晩遅く落合に泊り、翌朝《よくちょう》にな
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